ブランドコピー
価格に比して質が高いことやユニークなストーリーが注目されて、時計愛好家の話題に上るようになってきたユリス・ナルダン。そんなユリス・ナルダンを偏愛しているのが、コレクターのビッグ@UlysseNardinFreakさん(以下ビッグさん)だ。何度かお会いして、彼の「ナルダン愛」には驚かされてきたが、その深さは想像以上だった。所有するユリス・ナルダンは、現行モデルが3本、アンティークは20本(個)以上、そして山のようなノベルティグッズ。
「なぜ時計にハマったのか、自分では分からないんですよ。ただ、凝り性な部分はあると思っています。でも新しく開拓するのは面倒くさいんですね。勧められたら買ってしまうし、付き合う店もひとつに決めてしまう。だから通っていた店が当時扱っていたナルダンにハマって集めてしまったんでしょうね。他の人に憧れたり、影響されたりではないです」
クラシコ ポール・デイヴィッド・ナルダン
ユリス・ナルダンの良さを「技術力があるのに見せないのがいい」と語るビッグさん。マリーン 1846を入手した後、彼が次に手にしたのが「クラシコ ポール・デイヴィッド・ナルダン」だった。スーパーブランドコピー発表は2017年。3針のスモールセコンドという地味なモデルだが、ムーブメントには自社製のCal.UN-320を採用する。注目を集めないが、完成度は高い。
ダイバー42mm
ユリス・ナルダンにハマるきっかけとなったのが「ダイバー42mm」(Ref.8163-175/93)だ。「腕乗りが良ければなんでもいい」と語るビッグさんが選んだだけあって、300m防水にもかかわらず、ケース厚は12mm強とかなり薄い。ムーブメントにはETA 2892にシリコン製の脱進機を加えたCal.UN-816を採用する。
服好きだったビッグさんは、就職を機に時計に目覚めるようになった、という。
「父親が古着好きだったんです。その影響を受けて、私も服が好きになりました」。就職の際に良い時計、しかもアナログ針のモデルが欲しいと思ったビッグさんに、父親はハミルトンの「カーキオート」を勧めたという。こう言っちゃなんだが、アメカジ好きの御尊父はかなりセンスがいい。
その後、就職したビッグさんは、本人の言葉を借りるならば「2年間は地味に過ごした」後、一転して、良い時計を探すようになったとのこと。「父親は堅い勤め人なんです。高い時計を買うなら『ロレックスはやめておけ』と言われましたね」。
「手当たり次第に買っている」というナルダンのアンティーク。優れた懐中時計用のムーブメントを作っていたナルダンは、腕時計にはエボーシュを改良したムーブメントを搭載した。とはいえ、いずれも高度にモディファイされている。右は、フェルサのビディネーターを改良して載せたモデル。ストラップが付いていることが示すように、ビッグさんはこれらの腕時計を普段使いする。
ユリス・ナルダンの自社製ムーブメントCal.9を搭載したモデル
左は1930年代から40年代にかけて作られた、ユリス・ナルダンの自社製ムーブメントCal.9を搭載したモデル。ムーブメントは直径23.6mm、厚さ3.8mmの小さな機械だが、その設計は優れた懐中時計用を転用したものだ。中央と右はプゾーもしくはフォンテンメロン。写真のモデルを含めてストラップのほとんどは、東京・南青山のアンティークウォッチショップ「キュリオスキュリオ」製。ケースバックに「座布団」を噛ませているのは、汗で時計を傷めないための配慮である。
「ジャガー・ルクルトというブランドは知っていました。でも、まさか取り扱っている店舗が(当時)三重にあるとは思いませんでしたよ」。彼は津の名店・林時計鋪に足を運び、そこでジャガー・ルクルトの「レベルソ・クラシック・ミディアム・スモールセコンド」に出会ってしまった。ビッグさんがレベルソを見たのは春のこと。さんざん悩んだ彼は、12月にようやく手にしたという。
「レベルソは文字盤の配列やギミックなどに惹かれましたね。時計をムーブメントで買うことはないですが、調べて買うようにはしています」。ここから彼の沼は始まった。「レベルソの購入を悩んでいた期間には、セイコーのダイバーやオリエントのバンビーノを買いました」。セイコーのダイバーを入手した彼は、カーキオートを手放して、手巻きモデルに入れ替えた。
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